釣ったサカナで魚拓をとってみよう!
トントンたたくように色をつけるリアルなぬり絵!
本物の魚のような“近代魚拓”のつくり方を教えよう!
アクション(3)
キャンバス代わりの布をサカナにかぶせよう!
11.サカナ全体にのりを塗る
キャンバスとなる布(ベンベルグ)をかぶせる前に、魚体から最終的な汚れをチェック。
表面全体をティッシュなどでキレイにふいておくこと。
ふき終えたら、うすめた液状のりをハケでサカナ全体にまんべんなく塗っていく。
12.色つけする布をサカナにかぶせる
あらかじめサカナの3~4倍程度の大きさに切った布を準備。
その布をサカナの中心にくるようにかぶせる。
包み込むような感じでボディにフィットさせるのがコツだよ。
かぶせ終えたら、布がずれないように、各コーナーをケンザンで押さえる。
13.脱脂綿を使ってシワを伸ばす
脱脂綿でサカナをたたきながら布を押さえる。たたく時は余分な空気を抜くようにして、
サカナのシルエットが布の表面にしっかりと映るようにする。
ちなみに空気が入ってるところやシワになっている部分は、
サカナの外側にシワをズラすようにたたいて伸ばすと上手くいくよ。
14.のりを乾かし、サカナと布を貼りあわせる
色をつける時、余分な布がジャマになるので、乾かす前にケンザンを外し、
サカナの近くまで布を折り込んで各コーナーをテープで止め乾燥させる。
常温なら4~5時間かかるが、ドライヤーを使うと時間短縮。40~60分で乾くよ。
ただし、この時は、冷風で風を送ること。サカナから30cmくらい離した位置にセットしようね。
ちなみに、温風で乾かすと布が縮み、サカナからはがれて、色つけできなくなるので要注意!
アクション(4)
いよいよ魚拓づくりの醍醐味!
色つけスタート!!
15.インクをセッティング
版画インク(またはアクリル絵具)をパレットに出し、
うすめ液を1~2滴混ぜパレットナイフで軽く伸ばしながらインクの硬さを調整。
さらに、インクのはじをタンポで伸ばし写真のような半透明くらいの濃度・色合い(○がついてる場所)の状態にする。
その後、新しいタンポを使用て、少しずつ伸ばしたインクを染み込ませてる。
とにかくインクの色はうすめにすること。
うすめないで使うとインクが乗り過ぎて、ウロコやヒレなどの細かい模様がだしづらくなるよ。
16.布の上から、たたくように着色する
写真や図鑑を見ながら、特徴ある部分を最初に色つけしていく。
今回のイサキは横ジマ(線)が特徴なので、そこから塗り始めていく。
着色時のポイントは、サカナをタンポでこするのではなく、たたくように色をつけていくこと。
濃くしたい場所は何度も重ねたたくと効果がでる。線を描く時はたたく間隔を狭めて、
前に着色した部分に3分の1程度のせるようにするのコツだ。
最大の注意点は何度もいうけどタンポにインクを染み込ませすぎないこと。
いきなり色がのり過ぎて修正が効かなくなるので注意。
★仕上がりを最高にするとっておきテクニック
(1)直線や曲線を描く時はパレットナイフを使用。
パレットナイフの側面を定規代わりに利用して、色をはみださないようにしよう。
その際、パレットナイフは小マメに拭くこと。
(2)ヒレなど細かい模様がある部分は小さいタンポを使用。
重ねたたきして根元を濃くし、ヒレの先はなるべくうすくして、コントラスト(陰影)をつけてリアルに見せようね。
(3)ウロコなど凹凸(おうとつ)のある部分も同様に、凸の部分を濃くすること。
濃淡がはっきりでて、より立体感がでるからね。
(4)お腹など元々白い部分は色つけしなくてOK。白をこわがらないように!
17.仕上げにキレイなタンポで全体をたたく。
小さいタンポでサカナの輪郭をしっかり型取りしたら、色つけの総仕上げ。
インクをつけてないキレイなタンポを使い、まんべんなく全体をたたく。
キレイなタンポが余分なインクを吸収し、またそれがインクの足りない部分につき、シルエットがしっかりでる。
また、塗りわすれやヒレなどの細かい部分は、小さいタンポを使い、ここで微調整しよう。
アクション(5)
躍動感あふれる目玉とヒレを
描いてフィニッシュへ!
18.頭から布を外す
頭の方からゆっくりと布をめくり、色のつき具合を確認。
色つけが甘い部分があったら布を戻して再度色つけ。
しっかり色がのっていたら残りの部分を丁寧にはがしていく。
19.腹ビレを描く
(2)で残しておいた腹ビレを布地の裏側にあてる。
ボディや尻ビレとのバランスを見て、元の位置なら腹ビレにのりをつけて固定。
小さいタンポで同様に着色していく。
20.目玉を描く
布だけのままだとシワがあって非常に描きにくいので、
目玉部分の裏側にカッティングシールや画用紙を貼り
つけてスタンバイ。えんぴつで下書きをし、筆で描く
(筆はなるべく細いものを使う)。
上手く描くコツは、ただ丸く塗りつぶすだけでなく、
黒目の中に白目を入れたり、黒目の周りに輪郭
や縁をつけること。こうすることでリアルなサカナの顔
に近づくぞ。
21.画用紙や和紙に貼りつけて完成!
最後は台紙となる画用紙や和紙に布を貼る。うすめた液状のりを台紙に塗り、
家族や友達に手伝ってもらい、四方から引っ張り、しわをしっかり伸ばしながら貼りつけよう。
シワがある場合は脱脂綿で、その部分を絵柄より外に押しだし微調整。
あとは好きな大きさに切り、フレームに入れたりタペストリーとして壁に飾ってね。
【最後に中西先生からアドバイス】
ちょっと細かいことをレクチャーしてきましたが、あくまで、魚拓は楽しむもの。
少々のミスは問題ないのでチャレンジしてください。
なれてきたら好きなカラーを使ったり、部分部分で色を変えたりと、
自分なりに自由な発想で作品をつくってくださいね。
近代魚拓は、つくればつくるほど間違いなく上手になるし、味のある作品ができるはずです。
ぜひ、がんばってくださいね!
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